4月のドイツ日記

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退場者続出(4月22日)

 今日は日曜。午後から近所の芝生の公園へ長男と玉蹴りに。そのまま散歩気分でサッカークラブのグラウンドへ。3時から、クラブの正チームの試合があるという掲示を見ていたからだ。

 3時20分頃グラウンドに到着。やってるやってる。特に知り合いがいるというわけでもないが、一応自分のクラブなのでHeddernheimを応援。しかしこの試合が激しい。たぶん20代から30代くらいのいい大人たちの試合なのだが、ファウルが多い。イエローカードもびしびし出される。ロングキックを競り合うとファウル、いいドリブルが出るとファウル、といった有様。しかも! フリーキックや壁に気をとられている間に、ボールと関係ないところで激しいラフプレー(つまりは頭突きとかひじうち)があったりもする。突然「アウー!」とかいって選手が倒れ、周りの選手が「なにすんだよ」とやったやつに詰め寄る。レフェリーが来て事情を聴取。レフェリーへの暴言によると思われるものも含めて後半だけで両チームから3人の退場者が出る試合。結果は3対2でHeddernheimの勝ちのようであった。両チームあわせて100回くらいファウルのあった荒れ気味の試合でも、終わると仲良く握手とかしているからちょいと不思議。サッカーは激しいスポーツだってことなんだろうけど、日本であれやったらちょっと問題。という以前に、あんなファウルやあんな頭突きをくらったら、立ち上がれない。警告退場じゃなくて負傷退場者続出だろう。

 笛が鳴ってフリーキックが与えられたとき、ボールに注目していては「面白い」場面を見逃してしまうかもしれない。これが本日の我が長男の発見であった。球を持っていない選手に注目するのなら、むしろほんとはオープンスペースへの走り込みなどを学ぶべきなのであるが。


サッカースクール


 帰国まであと100日ほど。知らない間にアクセスが1000を越えているではないか。1000をゲットした人には景品をだしますって書こうかどうか迷っている間に過ぎてしまった(^^;;。

 ドイツにいるのだから一度はブンデスリーガの試合を見に行こうと思っていた。僕自身は前に一度、ミュンヘン・オリンピックスタジアムで見たことがある。切符の買い方もわからず、駅頭で盛り上がっていたグループのお兄ちゃんに券をわけてもらって(ダフ屋?でも原価だった)、ついでにビールを1本もらって、「試合が終わったら○時にあそこの公園でみんなで盛り上がるんだ!」とか教えてもらって、楽しい一日だった。試合は無事見られたが、結局その公園の場所がわからなくなってしまって盛り上がれなかったんだけど。

 人口65万人のフランクフルト。たぶん大人のサッカーチームが100はあって、それぞれが専用のグラウンドをもっているだろう。その頂点にプロのフランクフルト・アイントラハトっていうチームがある。去年は一部だったんだが今年は二部リーグ。浦和レッズのようなものか。したがってフランクフルトでバイエルン・ミュンヘンや1FCケルンの試合は見られないのだ。それでもフランクフルト市民は決してアイントラハトを見捨てたりはしないようだ。

 結局私たちはこのアイントラハトの今シーズンホーム最終戦を見に行くことにしてチケットを購入。今ではチケットの買い方もわかるようになりました。で、買いに行く前に試合の日程を調べるべくアイントラハトのホームページをのぞいているときに目についたのが「夏休み少年サッカースクール」のお知らせ。学校が休みに入ってから5期にわたって開催されるらしい。どんな連中が参加するのかわからんが、元気に異国の地で頑張っている長男にこれをプレゼントしてやってもいいかも! 5日間、練習着プレゼントつきで150オイロ=18000円くらい。

 家に帰って長男に話すと「行ってみたい」との返事。長男は決断の遅い男で、即答するなんて珍しいことだ。申込書を取ろうと思ってもう一度Webへ行くと、1期と2期はすでに満員。3期は7月3週、帰国2週前。急いで申し込み、待つこと6日間、申し込み受理の通知が来た。先着順なんだけど、よかった。トレーニングは午前2時間午後2時間、昼食付き、合宿じゃないから10時に行って5時に終わり。一応、プロも使うフランクフルト・ヴァルトスタジアムでやるらしいのだ(近所のサブグランドかもしれんが)。

 日本ではJリーグのチームのユースやジュニアはその筋の俊英のあつまりだけど、そういうのに入るためのセレクションを兼ねた「練習会」とは別に短期スクールとか日本にはあるんだろうか。選手が悪いことしてつかまってしまった某西日本のチームが罪滅ぼしにサッカースクールをやるというニュースを見たが、そういうんじゃなくて、まっとうな地域サービスとしてそれをやっているところってあるのかな。果たしてドイツのプロチームの名前で開催されるサッカースクールってどうなのか。申し込んじゃってから言っても困るわけだが、わからん。ドイツ語ができず、サッカーは好きだけど爆発的にうまいとは決して言えないわが長男はどうなるのか。たぶんその結果はこのドイツ日記で(って7月はまだまだ先だけど)。(追記:Jリーグ各チームにはほぼ必ずサッカースクールがあるようだ。私、不明でした。でもちょっと敷居が高い感じ。「定員は20名様です。」とか「練習中は指定の練習着を着用していただきます。」とか。比較するにはちょいと材料が足りないが。)


自由ヴァルドルフ学校二題


 イースター休み(春休み)が終わって新学期。長女はこのところ調子がいいらしい。もともとおしゃべり系なのだが、学校のことをよく話す。いやはやドイツ語がわかっているのかいないのか、いろんなことがあるのだ。

<フランス語>

 自由ヴァルドルフ学校では小学校1年生から外国語をふたつやっている。英語と、フランス語かラテン語。4年生くらいまでは会話中心で細かいことはやらず、しだいに文法めいたこともやるらしいのだ。前に書いたが、長女はフランス語。基礎知識ゼロ。そんな長女がフランス語の動詞の活用を書く小テストでよくできて褒められたらしい。確かに珍しく熱心にやっているなあとは思っていたのだが、ドイツ語でフランス語の意味が書かれたプリント見ながら日本語に置き換えてやっているわけで、大変だ。あんまり「頑張る」ことの少ないわが長女、ちょっと目覚め始めているのかもしれない。(追記:好調は長続きしない、というのは何も新庄に限ったことではないようだ。)

 それにつけても思うのは、やはり外国語ははやくやらせた方がいいんじゃないかってことだ。日本だとすぐに「受験に出るのか」「成績つけるのか」とかいうことになって、勉強がいやなものになるわけだが、そういうんじゃなくて、しかし厳しくメリハリをつけて、外国語を(二つとは言わないけどね)教えることはできないものか。

<ホッケー>

 今日の体育はホッケーだったらしい。アイスホッケーじゃなくて、ホッケー。グラウンドで、木の棒で堅いボールをたたくやつ。僕はやったことがない。やってみたいよね。練習とかはなしで、いきなりゲームをしたらしい。わが長女は1点入れたらしい。うらやましい。

 体育ってなんのためにやるんだろ? 運動しないと体に悪いから、ってこともあるんだろうが、私見では、人間が発明してきた貴重な文化遺産としてのスポーツを体験することが重要だ。「○○に負けない体力づくり」とかいうのはちょっと没。算数や国語や社会の勉強が楽しくなければならないのと同様に(この前提が共有されない場合は、次の帰結も当然に共有されないが)、体育の勉強も楽しくなければならない。そういう観点からするとホッケーはいいな。円盤投げがあれば尚可。

実は近々、5泊6日のクラス旅行があるらしいのだ。よくわからないのだが、カヌーで川を下るらしい。担任がクラスごとに計画を立ててお金を集めて行ってしまうらしいのだが。たぶんこの模様もこのドイツ日記で。


コブレンツ(4月8日)


イースター休みも終わりに近づいて、僕らは1泊でライン下りに出かけた。やっぱりローレライとかいうやつを見ておかねば。電車でライン下りの始発点、リューデスハイムまで正味1時間ちょっと。

 このリューデスハイムでは日本人ツアーの人たちを見かけた。まだ朝早かったのに(8時だぞ)、ぞろぞろと開店したかしないかの土産物屋周辺を散策。っていうか、町中をあるいているのは私らを含めて日本人のみでした(^^; 僕らはたまの旅行で朝早いだけだけど、ツアーの人たちは日程的にかなりきついのかも。

 さて9時に乗船、9時15分に出航。船内にはなんと日本語のガイドアナウンスも流れていた。川の左右に次々と顔を出す古城を眺める。ついに来ました、ローレライ! ただの岩じゃん、という感想をほとんどすべての人が持つに違いないが、しかしそうはいっても名物は名物。しっかり見たぞ。

 一緒に乗り込んだ日本人ツアーの人たちはローレライの次の停船場で下船。一気に船は空いた。僕らは船内のレストランへ。この日もビールを飲みつつ昼食。少し幸せ。

 やがて船は終点コブレンツへ。一応の名所をめぐり、ホテルへ。ナポレオンやメッテルニヒも泊まったことがあるっていうんだけど、確かに立地はいいものの(旧市街の真ん中近く)、要するにちいちゃい旅籠だな。一泊4人で105オイロ=13000円也。一人13000円じゃなくて4人で。朝食付き。僕にはとてもこぎれいでリーズナブルに思えたのだけれど。(…)

 詳細は略すが、比較の言語と選択の言語には留意しなければならない、というのが今回のコブレンツ行ライン下りの教訓であった。人生四十年も生きてくると、いろいろ滅入ることもあるのだ。海外研修も残り100日ほどとなり、少々まじめに研究のことを考えこむ時間が多くてそのせいで滅入っているということもあるのだけれど(ほんとか?)


デーナー(4月7日)


イースター休み中に家族で二度ほど遠出した。日帰りでシュタイナウっていう小さな町、そして一泊でライン下り。

 シュタイナウは本当に小さな町で、グリム兄弟が幼少年期を過ごした家があって、その近くにはちょっと有名な人形劇場があることだけが特徴のようなところ。妻のたっての希望でここへ出かけたわけだ。

 シュタイナウまでは遠くない。正味一時間くらい。途中、ハーナウっていうフランクフルトの隣町でグリム兄弟の銅像を見て、一路シュタイナウへ。この日はイースター金曜日で祭日。昼ごろ着いたシュタイナウの目抜き通りはひっそりしていて、お店も開いていない。ここで軽く昼食にする予定だったのであせりまくり。グリム兄弟博物館も閉まっているぞ。

 ひとつだけ開いていた、人形劇場脇の小さな城博物館に入る。ここには人形劇関係の展示があるらしい。それを見てでてくると、あれれさっきより人気が増えているぞ。レストランも営業し始めたようだ。してみると、飲食店関係が閉まっていたのはまだ昼前で早すぎたせいかも。

 来る途中に見かけた小さなピザ・ハンバーガー屋みたいなところまで戻ると、やっぱり開いていた。よかったよかった。ここで昼食。子どもはピザ、妻はバゲットサンドみたいなもの。僕はこの店の売り物らしいデーナー=羊肉の薄切り炒め+キャベツ+玉ねぎ+種々ドレッシング・ソースを小ぶりの雑巾ぐらいの大きさのパンに挟み込んだ大きなハンバーガーみたいなやつ。もとはトルコ料理? やっぱり店に入ったらそこの一番の売り物を食べたいわけで。お店のおじちゃんも喜んでた。「おっ!それ喰うのかい!具は全部入れていいかい?んじゃこの店のオリジナルだな。OK!」ってな感じだった。

 店には何人か先客もいて、僕の注文を聞いていたらしいドイツ人が話しかけてきた。それ喰うのかい?うまいよ! あんた、日本から来たの? 俺の会社にも一人いるんだよ、日本人。あんた、少しはドイツ語はなせるんだな。ってな感じで話しかけてきたのであった。デーナーもうまかったし、当然ビールも飲んだし、楽しい昼食だった。  ずいぶん以前にベルリンで食べたデーナーは、なんだか羊くさくって(ゴムっぽいとでも言うのかな)まいったような記憶があるんだけど、いやはやデーナーのファンになりました。僕のあとからきたグループは、「デーナー、お皿で。ライスにして。」「私はフライドポテトで。」って注文してた。出てきたものを見ると、ライスの人の方は生姜焼き丼みたいでうまそうだったな。今度デーナーの店に行ったらあれにしよ。

 人形劇も見たし、グリム博物館も開いていたから立ち寄ったんだけど、とにかく心に残ったのはここ「アリババ」のデーナーでした。  


月曜日には(4月5日)



だいたい毎日、ポケットにラジオを入れてニュースチャンネルを聞いている。ニュースが聞きたいから、というわけではなくて、ニュースを読む人のドイツ語が一番勉強になるから(^^; 。来た当初に比べると僕のドイツ語もずいぶん上達したような気はするものの、きちんとルールを決めてドイツ語を勉強しているわけではないのでびっくりするほどの上達、とはいかない。でもドイツ語をやるために来ているんじゃなくて、ドイツの教育政策について研究するために来ているので、それでいいんだと自分に言い聞かせる。だけど、ドイツ語ドイツ文学の研究者でドイツに来ている人って、けっこうつらいんじゃないかな。もうバリバリにドイツ語がわかっているならいいけど、そうじゃなくて一日中ずーっと「ドイツ語」を勉強するのってつらそう。

 さて土日はたいてい研究所へいかないので、いきおいラジオを聞く時間がなくなるのだ。家族がいるところでイヤホンつっこんでラジオ聞きっぱなしっていうわけにもいかんのだ。そのせいで(と断定しておこう)、月曜日にはどうもドイツ語の力が落ちるんだな。つい先日なんて、スーパーに朝から買い物に行って(こっちのスーパーは8時からやっていたりする)、レジの人に「Guten morgen!」(おはよう!)って言ったら、「はい?なんですか?」って聞き返されてしまった。がっくり。こういう日は一日中元気が出ないんだな。当然ドイツ語をしゃべる元気もなし。まだまだだね。

 実はこの春休み(こっちの言い方ではイースター休み)に少し旅行をしたので書くべきネタはあるのだが、今日はこんなとこ。どうも不慣れな外国語生活で神経を使うのか(何しろ会話の半分以上は超能力的に相手の言っていることを「読んでいる」わけで)、いろんなことによく気づき、またいろんなことを思うのだけれど、そのまま表現するとちょっと不具合なこともあるわけで(^^;;; 

 そうそう、つい先日日本からみえた知り合いの研究者の人が近くの温泉に行こうって誘ってくれた。そこはサウナになっている部分は完全全裸老若男女混浴、温泉プール風になっているところは水着着用だそうだ。しかし、なんと、ぎりぎりになって日程が整わずお流れに。残念。って話を家でしていたら、我が細君は「そんなに混浴に行きたかったの?」と哀れむように蔑むように悲しむように言うのであった。いや、一つの文化経験としてですね、貴重な機会を、、、などと心中思いつつ、家族で行くとしたら、我が細君や娘も同行しなければならないのかぁ、と気づき、それには耐えられないなぁと(いろいろな意味で)思い至ったのであった。まだまだだね。



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